選ばれる会社に。話題の「採用マーケティング」とは?具体的な方法と手順を紹介
「最近は求人広告を出しても、優秀な人材からの応募が少なくなってきた……」と悩む経営者や採用担当者は多いです。
確かに人材の獲得競争は激しくなっていますが、その原因はあなたの会社に魅力がないわけではなく、採用活動の方法が時代に合っていないからなのかもしれません。
この記事では、昨今、多くの採用現場で取り入れられるようになった採用にマーケティング視点を持ち込む「採用マーケティング」の具体的な手法と、すぐに実践できるフレームワークもお伝えします。
採用活動を根本的に見直したいと考えている方は、ぜひ、参考にしてみてください。
採用マーケティングとは
採用マーケティングとは、企業が採用活動にマーケティングの要素を取り込み、これまでのような「受け身」の採用活動から「攻め」の活動へとシフトする考え方です。
人材不足が深刻化している現代では、優秀な人材は引く手あまたの状況で、待ちの姿勢では会社に貢献してくれる人を採用できません。
そこで、「最近は求人広告を出しても、優秀な人材からの応募が少なくなってきた……」と悩む経営者や採用担当者は多いです。
確かに人材の獲得競争は激しくなっていますが、その原因はあなたの会社に魅力がないわけではなく、採用活動の方法が時代に合っていないのかもしれません。
この記事では、昨今、多くの採用現場で取り入れられるようになった採用にマーケティング視点を持ち込む「採用マーケティング」の具体的な手法と、すぐに実践できるフレームワークもお伝えします。
採用活動を根本的に見直したいと考えている方は、ぜひ、参考にしてみてください。
採用マーケティングとは
採用マーケティングとは、企業が採用活動にマーケティングの要素を取り込み、これまでのような「受け身」の採用活動から「攻め」の活動へとシフトする考え方です。
人材不足が深刻化している現代では、優秀な人材は引く手あまたの状況で、待ちの姿勢では会社に貢献してくれる人を採用できません。
そこで、自社の魅力や働く環境をわかりやすく伝えるブランディングであったり、適切な方法でターゲット人材に情報を届けるなど、自社を商品とみなして求職者や転職希望者に売り込むことで「この会社で働きたい」と思ってもらうことが重要になっています。
採用マーケティングが注目される時代背景
採用マーケティングが注目される背景には、少子高齢化による働き盛りの労働人口の減少や、仕事に対する価値観の変化・多様化が影響しています。

ここ10年で労働力人口の総数は増えているものの、年代別で見ると企業の売上に最も貢献してくれる25〜44歳の働き盛り世代の労働人口は減少しています。
さらに近年の労働者は「柔軟な働き方」や「社会的意義」、「働きやすい環境」など多様な価値観を重視するようになっています。企業も対応すべく、労働環境を大きく変容させています。

出典:働き方改革の評価と課題|独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)
こうした背景の下、企業は従来のようにただ求人広告を出すだけでは十分な応募者を確保することが難しくなっています。そこで、採用にマーケティングの手法を取り入れ、企業側から積極的にアプローチして魅力を伝え、選ばれる仕組みをつくることが重視されるようになりました。

採用マーケティングとファネル
採用マーケティングをおこなう際は、製品やサービスのマーケティングと同様に「マーケティングファネル(セールスファネル)」の考え方を用います。
マーケティングファネルとは、顧客や消費者がある商品・サービスを初めて知り、実際に購入に至るまでの流れを段階的に分類して、図に示したフレームワーク(型)です
マーケティングファネルには複数の種類があり、以下の「パーチェスファネル」が最も一般的な型です。

漏斗(ファネル)のように上部が広く、段階が進むごとに対象者が絞り込まれていきます。
関連記事:マーケティングファネルとは|もう古い?新しいフレームワークや施策事例を紹介
以下では採用活動をマーケティングファネルに当てはめてみましょう。

Attention(認知)フェーズ
求職者が企業の採用情報を初めて知るフェーズです。企業の存在が候補者に認識されなければ、次の興味や応募にはつながりません。まずは「私たちはこんな会社です」と広く知られることを目指します。
- チャネル例
求人媒体、SNS、外部イベント、人材紹介、ハローワーク、社員の紹介(リファラル採用)など - 発信コンテンツ例・施策例
企業紹介や仕事内容・社員インタビュー、会社説明会、カジュアル面談、インターンシップ、先輩社員への訪問 など
Interest(興味・関心)フェーズ
求職者が企業のことを知り、「もっと詳しく知りたい」「働いてみたい」と思い始める段階です。企業情報を深掘りして、応募へのモチベーションが高まるフェーズです。
- チャネル例
公式サイト、採用ホームページ、オウンドメディア、SNS、自社イベント、社員との直接コミュニケーション など - 発信コンテンツ例
企業文化、働く環境、社員の声、福利厚生など具体的な情報 など
Desire(比較・検討)フェーズ
求職者が複数の企業を比較し、自分に合うかどうか検討している段階ですが、採用活動の場合、ここは「応募フェーズ」と位置づけることができます。比較・検討して応募に踏み切れるだけの情報を提供し、また応募をスムーズに進めてもらえるように環境を整えます。
一方入社後のミスマッチを防ぐためには、この段階で自社が求める人物像やスキルを明示しておくことも大切です。
- チャネル例
自社採用サイト、求人媒体、郵送などの応募経路 など - 発信コンテンツ・施策例
働くイメージが持てる具体的な情報、キャリアパスの提示、疑問点を即座に解消できる問い合わせ体制の整備、迅速な連絡 など
Action(行動)フェーズ
求職者の応募後の選考参加や内定受諾、入社までのファネルの最終段階です。
選考の場は求職者が企業を見定める機会でもあります。面談を通して求職者に入社意欲を高め、維持してもらうことが重要です。
また内定を出してから入社に至るまでの間は、懇親会や会社見学などを行い、内定者が抱く入社への不安を解消します。候補者は複数の企業の選考を受けていることも多いため、内定後も引き続き、自社の魅力を伝え、フォローする姿勢が求められます。
- チャネル例
選考面接、メールや電話、チャット など - 発信コンテンツ・施策例
体験入社、選考結果のフィードバック、会社見学、懇親会、内定式 など
採用マーケティングの手順とフレームワーク
実際に採用マーケティングを行う手順を確認しましょう。
- 自社の強み・課題の把握
- ターゲット人材の明確化
- 採用コンセプト・ブランディングの決定
- カスタマージャーニーの作成とアプローチの計画
- 採用活動の実施と継続的な改善
①「なぜ、この会社で働くのか?」自社の強み・課題を把握する
採用活動で成果を出すためには、まず自社の魅力や現状の課題を客観的に理解することから始めます。これにより、「どんな人材に対して」「どの強みをアピールすべきか」が明確になります。
「競合との違いは?」「現状の採用は何がボトルネックになっている?」といった問いを立てて考えてみても良いでしょう。
- 「強み」の例
- 自由に意見が述べられる職場環境、福利厚生
- 専門技術や独自のノウハウがある
- 成長機会が豊富 など
- 「課題・ボトルネック」の例
- 知名度が低い
- 従業員の年齢が比較的若い など
【活用するフレームワークの例】
- 3C分析
自社・顧客・競合の3つの視点から市場環境を整理し、自社の強みや戦略のヒントを見つける - SWOT分析
自社の強み・弱みと外部の機会・脅威を整理して、戦略を立てる
②「誰に入社してほしい?」ターゲット人材の明確化
先に洗い出した自社の強みや課題をもとに、「どんな人を採用したいのか」ペルソナ像をはっきりさせます。具体的には、求めるスキルや経験、性格、価値観、志向性など、仕事や社風に合う人材像を言葉で明示します。
- どの属性を狙うのか(転職希望者、転職潜在層、元社員、過去の選考参加者 など)
- どんな役割を担ってほしいのか
- 性格や価値観、働き方
- 必須条件(MUST)と希望条件(WANT)
- 既存の社員を参考に、人材イメージを具体化する
③「どう魅力を伝えるか?」採用コンセプト・ブランディングの決定
「採用コンセプト」とは、上記のプロセスではっきりさせた自分たちが求める人材に対して、どんな価値や魅力を提供するのか一言で表現したものです。「自分たちの会社で働くと、こんな良いことがある」と求職者に強く印象づけるための軸を定めます。
この一貫したメッセージを発信して求職者の応募意欲を高める行為を「採用ブランディング」と呼ぶこともあります。
【活用するフレームワークの例】
- 4P分析
自社の魅力を「Philosophy(理念)」「People(人材・風土)」「Profession(事業・業務内容)」「Privilege(待遇・働き方)」の4つの視点で整理する
④「求職者はどう行動するか?」カスタマージャーニー(キャンディデイトジャーニー)の作成
先に採用活動における求職者の行動の流れをマーケティングファネルで確認しました。
↓再掲

一方、カスタマージャーニーは個々の求職者の「体験」や「感情の変化」にフォーカスして、各段階でどんな接点(タッチポイント)があり、どんな情報や対応が求められるかを詳細に計画したものです。
▼採用活動におけるカスタマージャーニーマップの例

つまり、ファネルで全体像を俯瞰的に把握し、カスタマージャーニーで詳細な施策を設計するということです。
ちなみに採用活動の場合、「カスタマー」ではなく「キャンディデイト(候補者)」という言葉を使うこともあります
⑤「改善できる点は?」採用活動の実施と継続的な改善
行動計画にもとづいて各種施策や面接などの採用活動を行います。ここで重要なのが、一度決めたものをずっと続けるのではなく、常に効果を検証しながら、施策内容を改善することです。
- 応募数や選考通過率、内定承諾率などのデータを集める
- 求職者・社員のフィードバックをもとに、課題を分析
- 手法、媒体の見直し、選考プロセスの改善、メッセージの調整など改善を行う
- 労働市場や競合状況の変化も考慮して、調整する
- 内定後のフォローや入社後のフォローアップも重視する
実行と振り返りを繰り返すことで、より効果的な採用活動を実現し、企業の成長につなげます。
採用マーケティングでよくある失敗例と対策
最後に採用マーケティングを行う際に陥りがちな失敗例とそれを防ぐための対策をお伝えします。
ターゲットが曖昧
「こんな人に来てほしい」というターゲット設定が曖昧なまま、漠然と採用活動を進めてしまうことは多いです。製品のマーケティングでもターゲットを明確にするからこそ、伝えるメッセージに一貫性を持たせられます。
また「やる気がある人」などの抽象的な設定でも応募者の質にバラツキが出てしまうため、先述のターゲット設定は時間をかけてでも、しっかり取り組みましょう。
他社の真似ばかりして成果が出ない
他社の成功事例を真似るだけでは、成果は期待できません。
企業の状況や求める人材、発信すべきメッセージはそれぞれであり、ただの真似では自社の魅力や文化は伝わりません。仮にそれで応募があったとしても、発したメッセージと実際の雰囲気との間に、ギャップや違和感が生まれてしまいます。
採用プロセスが長すぎる
応募から選考、採用までのプロセスが長すぎることで、「社内の意思決定が遅い」など求職者にネガティブなイメージを与えてしまうこともあります。結果、自社で採用できないだけでなく、優秀な人材を他社に奪われてしまうことにもつながります。
採用マーケティングはじっくりと自社のことを知ってもらう長期戦である一方で、いざ、採用が始まったなら、明確な採用基準によって、迅速に選考を進めることが重要です。
短期的な成果を求めてしまう
マーケティング視点で例えるなら、人材採用は「自動車」「家」のような成約までに時間がかかる「高額な製品」だと考えます。
企業のブランド構築や候補者に信頼してもらうためには時間がかかるもので、効果が出るまでに継続的な取り組みが必要です。短期間で劇的な効果を期待すると成果が出ずに挫折しがちです。焦らず長期的な視点で、コツコツ続けることが成功の鍵となります。
採用担当者が孤立する
採用担当者が社内で孤立してしまうと、採用の質や効率が大きく下がります。
とくに採用活動では経営層や現場担当者との連携が必須です。一方で「採用は自分たちの仕事ではない」と、周囲が非協力的なために、人材のミスマッチが起きてしまうこともあります。
担当者は部署を横断した積極的なコミュニケーションを心がけたり、マーケターを採用チームに入れるなど体制を強化することも大切です。
まとめ
受け身から攻めの採用活動へシフトする方法の1つとして採用マーケティングの手法について紹介しました。
- 採用マーケティングは自社を商品とみなして魅力をわかりやすく発信したり、ブランディングして求職者に売り込む考え方
- 求職者のフェーズ(認知→興味・関心→比較・検討行動)に応じた適切な施策が必要
採用マーケティングを取り入れる際には、改めて自社の強みや課題を振り返り、どんな人材が必要なのかを明確に定めることから始めましょう。
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