士業の集客・マーケティング戦略|弁護士、税理士、司法書士、行政書士、社労士など
専門性や顧客支援には自信があるものの「紹介による新規顧客が少なくなってきた」「競合がWeb上でうまく集客していて、何らかの手を打ちたい……」と考える士業事務所は多いようです。
参入障壁が高い士業ビジネスでも、これまでのように「真面目にやっていれば、お客さんは集まる」時代ではなくなっています。
弁護士・税理士・司法書士・行政書士・社労士などの士業事務所が信頼を高め、効率よく集客や問い合わせを増やすための基本的な考え方と施策を紹介します。
具体的な行動計画を立てる上で、何か一つでも参考になる部分があれば幸いです。
※ Web集客に 補助金を活用できることがあります。
士業の集客環境と課題
弁護士・税理士・司法書士・行政書士・社労士などの士業は、専門知識を提供する職業として不可欠な存在ですが、近年は「顧客獲得(集客・マーケティング)」が難しくなっています。
士業マーケットは2010年代以降、有資格者、会員数などが増え続けており、都市部を中心に供給過多の状態が続いています。
| 士業 | 2000年 | 2025年 | 増加率 |
|---|---|---|---|
| 弁護士 | 17,126人 | 45,808人(2024年) | 約267.4% |
| 公認会計士 | 17,413人 | 43,731人(2024年) | 約262.5% |
| 税理士 | 65,144人 | 82,034人 | 約125.9% |
| 司法書士 | 約1.7万人 | 23,387人 | 約137.5% |
| 社会保険労務士 | 約2.5万人 | 45,401人(2024年) | 約181.6% |
| 行政書士 | 19,766人(2010年) | 53,939人 | 約272.8% |
| 弁理士 | 4,503人 | 11,858人 | 約263.3% |
| (参考)日本総人口 | 12,693万人 | 12,380万人 | 約97.5% |
※日弁連正会員数/日本公認会計士協会会員+準会員/税理士登録者数/全国司法書士会員数/社労士登録者数/行政書士会個人会員数/日本弁理士会自然人会員
参照:日本弁護士連合会「弁護士数の推移/男女別年齢構成/男女別弁護士数の推移」(弁護士白書2024年版)
参照:概要/会員数 | 日本公認会計士協会
参照:税理士登録者数 – 日本税理士会連合会
参照:会員数データ|情報公開一覧|日司連について|日本司法書士会連合会
参照:202411_2024srchousa_gaiyou.pdf
参照:各都道府県の行政書士会所在地・会員数等 | 日本行政書士会連合会
参照:1-3-7_2019.pdf
参照:会員分布状況 | 日本弁理士会
日本の総人口は2004年にピークを迎えた後は減少トレンドに入っています。それに反して各士業の数は増加し続けており、例えば弁護士の数は2000年から2.5倍以上増えています。
今後も国内人口が減少することは確実で、士業の競争も激しくなることは避けられない状況です。
士業の顧客開拓の基本的な考え方
士業が新しい顧客を集客する上で押さえておきたい基本的な考え方をお伝えします。
最後は「信頼できる人か」で決まる
士業は法務・税務・労務などの専門知識を使って顧客のビジネスを成長させるパートナーです。
大前提として顧客は知識が豊富で頼れるパートナーを探していますが、最終的には「この先生に任せても大丈夫か」「誠実に対応してもらえるか」「自社と相性が良いか」といった「人」の部分で契約するかどうか判断します。
顧客からの信頼は一回の打ち合わせだけで築けるものではありません。
- SNS、ブログ、YouTubeなどで継続して発信する
→人柄に好感を抱いたり、意見や考え方に共感する顧客が集まる - YouTube、セミナー、勉強会など、オンライン・オフライン問わず接点を増やす
→接触した回数が多いほど安心感や信頼が増す - 相手の立場に立ち、わかりやすく話す
→好感が増す、実際に支援する様子をイメージしてもらえる
従来の「紹介」による集客は健在ではあるものの、現代では日頃から「私はこういう人間です」という発信を積み重ねることが信頼形成の下地になります。
専門分野の明確化とメインターゲットの設定
士業の集客においても他のビジネス同様に「何を」「誰に」提供するのかといったマーケティングの基本は重要です。
それぞれの先生には顧客の業種や規模、課題(創業支援、事業承継、相続など)に専門分野があるはずです。今一度、自分の強みを整理し、自分の専門性を最も活かせる顧客層に焦点を絞って集客します。
顧客を絞ることで発信するメッセージに鋭さが増し、「この方は私のための●●士さんだ!」と思ってもらえる確率が高まります。

後述しますがオンラインで全国対応が可能になった現代でも「エリア」は大きな強みです。まずは「得意分野×地域」のように特化していくのも1つの方法です。
エリアマーケティング思考
先述のとおり、士業業界もクラウドツールやビデオ会議システムの普及によって、オンライン化が進み、全国のクライアントから業務を受注できるようになりました。
一方で従来型の特定の地域に焦点を当てて集客戦略を立てる「エリアマーケティング」の考え方もまだまだ健在であり、大きなアドバンテージになります。
顧客の多くは近くで安心して相談できるパートナーを探す傾向にあります。いまや「直接会える」ことはそれだけで差別化になります。
また「このエリアの税理士さんなら◯◯さん」というように、限定された地域で活動することで口コミが広がりやすく、効率よく紹介による顧客獲得が期待できます。
加えて顧客は「新宿 相続雑談」「大阪 労務トラブル 社労士」のように、いまだに地域名を含めて検索する傾向が強く、このあと紹介する「MEO対策」などは今も王道的な施策です。
オンライン×オフラインのハイブリッド戦略
士業こそオンラインとオフラインの集客施策をバランスよく行うべきです。
なぜならオンラインとオフラインの活動が互いに良い影響を与え合い、唯一無二の存在になれる可能性を秘めているからです。
例えばGoogleなどの検索で高い順位を獲得するために行う「SEO対策」では 「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」といった要素が大切だと言われます。
資格によって専門性や権威性が裏打ちされている士業はオンラインでの発信が有利です。そこで質の高い情報発信をすれば信頼が高まり顧客が集まります。顧客対応やオフラインによって得られる経験・実績(セミナーや勉強会など)が専門性や権威性をさらに強固なものにして、好循環が生まれます。

弊社の経験上、オフラインで積極的に活動している先生ほど、オンラインによる施策も効果が出やすい傾向にあります。
士業のオンライン集客施策
これまで多様な業種・業界の企業さまの集客を支援してきた弊社がおすすめする、士業業界の事情を考慮した、オンラインによるマーケティング手法をお伝えします。
いずれも基本的な内容ではありますが、確実な成果が期待できるものを厳選して、優先度の高い順にお伝えします。
| 施策 | 即効性 | コスト | 工数 | 売上 インパクト |
|---|---|---|---|---|
| LPO対策 (HP対策) | ◯ | ◯ | △ | ◎ |
| MEO対策 | ◎ | ◯ | ◯ | ◎ |
| EFO対策 | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ |
| SEO対策 | △ | △ | △ | ◎ |
| SNS | △ | ◎ | △ | ◎ |
| ポータルサイト | ◯ | △ | ◎ | ◎ |
| 検索広告 (Google広告) | ◎ | △ | ◯ | ◎ |
1. LPO対策(ホームページ対策)

| 施策 | 即効性 | コスト | 工数 | 売上 インパクト |
|---|---|---|---|---|
| LPO (HP対策) | ◯ | ◯ | △ | ◎ |
事務所のHP(ホームページ)やLP(サービス紹介に特化し相談や資料請求、申込みに特化した専用ページ)は「ネット上の顔」であり、検索流入や広告流入から問い合わせにつながる基本的なインフラです。
ユーザーが知りたい情報を適切な順番でわかりやすく伝えられているか、自分という「人」が顧客に伝わっているかなど、わかりやすく、安心できるページ設計を心がけます。
昨今は「SNSがあるからホームページは不要」と考える先生もいますが、特に信頼が重要な士業ビジネスではホームページは必須と言えます。
またすでにLPを持っている場合、LPの最適化(LPO対策)はホームページを一からつくるよりも低予算で即効性が期待できます。
【メリット】
- ユーザーが知りたい情報を提供することで問い合わせ数を改善できる
- サービス内容や人柄をじっくりと自分の言葉で伝えやすい
- 専門分野や実績を打ち出し差別化できる
- LPOはホームページ制作よりも安く、短期で取り組めて即効性がある
【デメリット】
- 特にホームページを制作する場合は調査や導線の設計、コンテンツ制作に時間がかかる
- 後述する「SEO」の評価を高めるには時間がかかる
- 一度設計したら終わりではなく、継続的な運用・改善が必要
【具体事例と効果】
| 具体例 | 効果 |
|---|---|
| ファーストビューで目を引く写真やキャッチコピーを使用する | ユーザーの興味を引き、ページからの離脱を防げる |
| 実績と顧客の声を掲載する | 専門性を理解できる、どんな支援をしてもらえるのかイメージできる |
| 相談予約・お問い合わせなどの申し込みボタンを目立つ位置に設置する | 問い合わせ率がアップする |
| 提供メニュー、よくある質問(FAQ)、アクセスなどユーザーが求める情報をまとめる | ・不安や疑問をその場で解消でき、申込み意欲が高まる ・情報整理はSEO対策にもなる |
| 2パターンのLPの成果を比較する(ABテスト) | より問い合わせ率が高い方を選べる |
関連記事:【わかりやすく】LPOとは?その重要性と効果が出る改善例、ツールを紹介
2. MEO対策

| 施策 | 即効性 | コスト | 工数 | 売上 インパクト |
|---|---|---|---|---|
| MEO対策 | ◎ | ◯ | ◯ | ◎ |
MEO(Map Engine Optimization)対策とは、Google検索や地図検索で、「税理士 さいたま市」「相続相談 板橋区」など、地名とニーズを組み合わせて検索されたときに、自分の事務所を上位に表示させるための対策です。
Googleで地名を含めて検索すると「お店やサービス」「場所」といった項目が現れて、店舗名や評価、電話番号、レビューなどが地図付きで表示されることがあります。
そこで自分の事務所を目立つ位置に表示させることができれば、無料で地域の顧客に事務所を知ってもらえます。
MEOは「Googleビジネスプロフィール」に店舗の情報を登録することで、無料で始められます。先述したようにエリアマーケティングが重要な士業ビジネスでは優先して取り組みたい施策です。
【メリット】
- SEO(後述)よりは短期間で効果が出やすい
- 上位表示されれば費用対効果が高い(広告費をかけずに露出できる)
【デメリット】
- 悪い口コミがつくリスクがある
- 競合も対策しているので必ず効果が出るわけではない
【具体事例と効果】
| 具体例 | 効果 |
|---|---|
| 事務所名、住所、電話番号、営業時間などを正確に記載する(Web上の記載はすべての媒体で統一する) | Web上にある他の情報と「同じ事務所」だと認識され、効果が最大化する |
| サービス内容に「建設許可」「節税対策」「企業法務」「不動産登記」など、得意な専門分野を記載する | 狙ったキーワードで検索されたときに上位表示されやすくなる |
| サービス対応エリアを明記する | 地域の見込み客からの問い合わせが増える |
| 顧客からの口コミやレビューを集める、コメントに返信する | 口コミを参考にした問い合わせや来店が増える、こまめな返信は信用を高める |
| 事務所の外観や代表者の写真、業務の風景など写真や動画を投稿する | 安心感を提供できる |
関連記事:小規模でも勝てる!MEOを始めるメリットと自分でできる7つの対策
3. EFO対策

| 施策 | 即効性 | コスト | 工数 | 売上 インパクト |
|---|---|---|---|---|
| EFO | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ |
EFO(Entry Form Optimization)とは、事務所のホームページやLPに設置されている「お問い合わせ」「相談予約」などのフォームを、ユーザーが最後まで入力して送信しやすいように改善する施策です。
例えば「入力フォームの項目数を減らす」というような簡単な修正だけでも、送信完了率が大きく改善することがあります。
せっかく自分の事務所を見つけ、前向きに検討してくれた見込み客がフォーム送信が面倒なことを理由に問い合わせなどを諦めてしまうのは、とてももったいないことです。
EFO対策は重要かつ他の施策よりもコストが低いため、基礎対策として優先して取り組みましょう。
【メリット】
- ホームページのリニューアルや、新たにLPを作成するよりは安価に対応できる
- 細かい修正・改善でも、成果が大きく変わることがある
【デメリット】
- EFO専用ツールを使用するため、ランニングコストがかかる
- 継続的な効果検証と改善が求められる
【具体事例と効果】
関連記事:【26個列挙】EFO対策とは?今すぐ取り組めるフォーム最適化策やツールを紹介
4. SEO対策

| 施策 | 即効性 | コスト | 工数 | 売上 インパクト |
|---|---|---|---|---|
| SEO対策 | △ | △ | △ | ◎ |
SEO対策(Search Engine Optimization)は、「社労士+地域名」「労務トラブル+弁護士」などで検索されたときに、自分の事務所のホームページやLPを、検索結果ページの上位に表示させる施策です。
先に紹介したMEO対策が「お店」「地図」の項目で事務所を表示させる対策なのに対し、SEO対策は検索結果の一覧でホームページを上位に表示させる施策です。
検索結果で上位に表示できれば、広告費をかけることなく事務所の認知を拡大できます。
特に士業はその専門性や権威性を活かして、ホームページ内のブログ機能で有益な情報を発信することが検索順位の向上に大きく貢献します。
ただしSEOは効果が出るまで時間がかかり、また、難易度も高めです。長期的な視点で、できるだけ早めに取り組むことをおすすめします。
【メリット】
- 上位表示できれば無料で集客できる
- 能動的に検索する本気度の高い見込み客を集客できる
【デメリット】
- 他の施策よりは効果が出るまでに時間がかかる
- 上位表示させるキーワードを選定したり、記事(ページ)を作成するには知識や経験が必要
- 一度、上位に表示できたとしても、維持するためには定期的な内容の更新が必要
- Googleなど検索エンジンのアルゴリズムの変更で順位が大きく変動するリスクがある
【具体事例と効果】
| 具体例 | 効果 |
|---|---|
| ユーザーがよく検索する言葉をページのタイトルや見出しに入れる(「弁護士 債務整理」「法人設立 税理士」など) | 意欲の高い、本気度が高い顧客を集客できる |
| ホームページ内のブログ機能で「弁護士 選び方」「節税対策」など、ターゲット層がよく検索する情報を専門家の立場からわかりやすく解説する | ユーザーの悩みを解決し、事務所の認知拡大や信用のアップにつながる |
| 他のページから事務所のホームページへリンクをもらう(被リンク) | SEOのプラス要因になる |
関連記事:【最新】今もSEO対策が重要な理由とメリット・デメリット
5. SNS、YouTube

| 施策 | 即効性 | コスト | 工数 | 売上 インパクト |
|---|---|---|---|---|
| SNS運用 | △ | ◎ | △ | ◎ |
他の業種と比べて信用が契約の成否に大きく影響する士業では、専門知識を背景としたSNSでの発信(エックス、Instagram、YouTubeなど)は取り組むに越したことはありません。
SNSはホームページでは対応しきれないリアルタイムな情報を届けたり、自身の人となりや事務所の雰囲気を知ってもらうのに最適なツールです。
SNSは無料で始められますが、広告のようにすぐに集客効果が出るものではなく、またセンスも問われます。しかし長く続ければ続けるほど、少しずつですが確実にファン(フォロワー)を増やせます。長期視点で運用していくことをおすすめします。
【メリット】
- 集客、信用・ファンの獲得、最新情報の発信など、様々なメリットがある
- SNSごとに異なるユーザー層に広くリーチできる
- 検索エンジンに「積極的に活動している人・事務所」と認知され、SEOにも好影響が期待できる
【デメリット】
- 直接的に集客に成果が出るまでには時間がかかる
- 継続的に有益な情報を発信するのが難しい
- 効果測定が難しい
【具体事例と効果】
| 具体例 | 効果 |
|---|---|
| リアルタイムで法改正のニュース解説を行う | その分野の専門家として認知されフォロワーが増える、信用が増す |
| 狙いたいキーワードを投稿に盛り込む | ・悩みやニーズを抱えている見込み客に認知されやすい ・悩みを解消して信用される |
| 事務所の様子や日頃の活動を投稿する | 人柄を伝え親近感や信頼度が増す |
6. ポータルサイト

出典:弁護士ドットコム – 無料法律相談や弁護士、法律事務所の検索
| 施策 | 即効性 | コスト | 工数 | 売上 インパクト |
|---|---|---|---|---|
| ポータルサイト | ◯ | △ | ◎ | ◎ |
「士業向けポータルサイト」とは、弁護士ドットコム、税理士ドットコムなど、専門業種ごとに顧客と専門家をマッチングさせるサイトです。
ポータルサイトではユーザーは「地域」「得意分野」「料金」などの条件で依頼先を探すことができ、契約を検討している見込み客に直接リーチできます。
競合が多く、また無料プランでは露出が限定されることも多いため、メインの集客方法として使うのには向いていません。ホームページやSNS以外の集客経路として登録しておき、開業初期や集客に力を入れたいタイミングで有料プランを利用するのも1つの方法です。
【メリット】
- 有料プランを中心に登録直後から露出されやすく、問い合わせを得やすい
- 「相談したい」「依頼したい」真剣度の高い見込み客が集まっている
- ホームページの様な頻繁な更新が不要
- 第三者の視点で他の競合とわかりやすく比較される
【デメリット】
- 競合が多く差別化が難しい
- 有料プランは継続した固定費がかかる
- サイト側のデザインや表現に依存し、独自性を出しづらい
【具体事例と効果】
| 具体例 | 効果 |
|---|---|
| 各士業の主要なポータルサイトには登録しておく | 露出、問い合わせが増える |
| 顔写真、経歴、専門分野、相談実績、顧客の声など、用意された項目はもれなく埋める | 信用が高まる、問い合わせが増える |
| 自社HPのリンクを設置する | ・自社サイトへの導線を強化する ・サイトによってはSEOに好影響を与えることもある |
7. リスティング広告(検索広告/Google広告)

リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果画面において、ユーザーが入力したキーワードに連動して表示される主にテキストの広告です。
地域や特定のニーズを持ち、実際に検索している真剣度の高い見込み客に露出でき、問い合わせや予約相談につなげられます。
リスティング広告は基本的にクリックされた分だけ課金されるため広告費に無駄がないのも特徴です。
この記事で紹介したホームページ・LPO、SEO、MEOなどの基本的な施策を行った上で余裕がある場合、ピンポイントで集客したいときに出稿するのも一案です。
【メリット】
- 優良な見込み客を集客できる
- SEOより上位に表示させやすく、即効性がある
- 掲載時間やエリアなどを柔軟に設定できる
- クリック課金制(CPC)で無駄な広告費を抑えやすい
【デメリット】
- 競合が多い場合はクリック単価が上がりやすい
- 中小規模の事務所が年間を通して運用するのはコスパが悪いことがある(有料施策を検討するならポータルサイトの方がコスパが良いことも)
- 広告運用(設定、キーワード選定)やデータ分析に経験や知識が必要
- 広告を止めると集客効果がなくなる(資産性に乏しい)
【具体事例と効果】
| 具体例 | 効果 |
|---|---|
| 「離婚相談 弁護士 東京」「節税 税理士 名古屋」など具体的かつ地域名を含むキーワードを設定する | ピンポイントでニーズを持つ見込み客にリーチできる |
| 地域などユーザーの属性を絞って配信する | 広告費のムダを減らせる |
| 広告文には「無料相談」など引きになるテキスト、「料金」「実績」など具体的な数字を入れる | クリック数、問い合わせ数が増える |
| 管理画面で継続的に効果測定を行う | 効果が出やすい検索キーワードや広告文、設定を把握し、さらに改善できる |
| ホームページやLPと連動する | 広告テキストと遷移先の内容を揃えることで問い合わせ率が上がる |
関連記事:初心者でもわかる「Google広告とは?」仕組みやメリットを解説
関連記事:初心者向け リスティング広告とは?今すぐ始めたくなるメリット・やり方を解説
関連記事:リスティング広告はいくらから出せる?予算の決め方・広告費をムダにしない基本的な考え方
支援事例(地方社会保険労務士さまのケース)
弊社で支援した社会保険労務士事務所の事例を紹介します。

こちらの社労士さんは支援する以前からエックス、Instagram、YouTubeなどのSNSで積極的に発信をされていました。そのため、「市町村名 社労士」でも、すでに一桁台の順位を獲得できていました。
また行政や協会が主催の勉強会の講師を務めるなど、オフラインでも実績を積んでいました。
今回、ホームページ内にブログ機能を実装し、人事労務担当者向けのお役立ちコンテンツ、トレンド感のあるニュース解説記事の投稿を始めたところ、半年間でホームページへの集客数が約15倍にまで上がり、地域での認知度や信用の獲得に貢献しました。
今回の事例から得られた気づきは以下のとおりです。
- 「活動地域×士業名」で高い順位を目指すことが基本
- オンライン・オフライン上での露出はホームページのSEOに大きく貢献する
- 行政や協会のホームページからのリンク獲得はSEOに有効
- 難しいことをわかりやすい言葉で解説する記事にはニーズがある
士業のオフライン集客対策
先にも紹介したように士業はオンラインとオフラインの活動が互いに良い影響を与え合い、相乗効果を生み出すことが多いです。
直接顔を合わせることで信頼も築きやすく、オフラインの施策も積極的に行うことをおすすめします。
- 行政や士業団体、商工会議所が主催するセミナーや相談会の講師・相談役
専門性や認知度、信用の向上が期待できる。行政や協会からホームページにリンクがもらえることもある(SEOに大きく貢献) - 他士業との連携
交流会などで他の士業と連携し紹介ルートを強化する - 専門家としてローカルメディアに出演する
地元紙、ラジオ、ケーブルテレビなどに出演し、地域での知名度を上げる
まとめ
この記事では弁護士・税理士・司法書士・行政書士・社労士などの士業の効果的な集客方法、マーケティング施策を紹介しました。
- 士業の成約は専門性や能力以上に「人」で判断される
- オンラインで全国対応が進んだ現在でもエリアマーケティングの考え方が重要
- オフラインとオンライン双方の集客施策が想像効果をもたらす
また、以下は顧客が事務所を知り、実際に契約に至るまでの流れと、この記事で紹介したオンライン施策のまとめです。

繰り返しになりますが、信用がものを言う士業は、オンラインとオフラインの施策をバランスよく行っていくことが求められます。それぞれの活動が互いに良い影響を与え合い、好循環が生まれると、顧客獲得の勢いは一気に伸びる可能性を秘めています。
弊社では「IT人材や部署を持つほどではない」とお悩みの事業者さまへ、SEO対策やWeb広告の運用など集客のサポートを行っています。小さなお悩みでも無料でご相談をお受けしております。少しでも興味をお持ちの方は、お気軽にご連絡ください。
※ Web集客に 補助金を活用できることがあります。