【わかりやすく】LPOとは?その重要性と効果が出る改善例
ランディングページ(LP)を作成後に「LPからの申込みや問い合わせをもっと増やしたい」「LPを改善したいけれど、何から手を付ければよいのかわからない」といった相談をよく受けます。
この記事ではLPの改善施策である「LPO」について、その概要と具体的にどんなことをすれば良いのかお伝えします。LPの改善は、売上はもちろんのこと、広告やSNSの効率化にもつながります。気軽に取り組める施策もあるため、ぜひ、参考にしてください。
LPOとは
LPO(Landing Page Optimization、ランディングページ最適化)はユーザーのニーズに合わせてLPを最適化し、コンバージョン率を上げる一連の取り組みを指します。
そもそもLPとは広告やSNSなどから流入したユーザーに自社商品・サービスの購入、登録、問い合わせなど、特定の行動(コンバージョン)を促すことに特化したページです。
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LPで継続して成果を上げるには、既存のLPの問題点、課題を分析し、より、ユーザーに行動に移してもらえるようにブラッシュアップを続けなければいけません。
LPOではデザイン、コンバージョンへの導線、構成、訴求文、ボタンの大きさ……など、大枠から細部まで、テストを重ねて最適化します。
SEO、EFOとの違い
LPOと似た言葉に「SEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)」や「EFO(Entry Form Optimization、入力フォーム最適化)」があります。
いずれもWebマーケティングにおいて自社の集客、売上向上に寄与する取り組みを指す言葉です。
LPO | SEO | EFO | |
---|---|---|---|
正式名 | Landing Page Optimization(ランディングページ最適化) | Search Engine Optimization(検索エンジン最適化) | Entry Form Optimization(入力フォーム最適化) |
主な目的 | コンバージョン率の向上(購入、申込みなどの増加) | 検索順位の向上(サイト訪問者の増加) | フォーム入力完了率の向上(離脱率の低下) |
対象 | LP | Webサイト全体 | 入力フォーム |
具体的な施策例 | ・デザインの改善・導線、構成、訴求文の修正など | ・検索キーワードへの対応・コンテンツの修正、リライト | ・フォームの設計・エラーの防止 |
評価基準 | コンバージョン率 | 検索順位、トラフィック数 | フォーム完了率 |
LPOの重要性
なぜLPOの取り組みが大切なのでしょうか。LPOの最終目的はコンバージョン率を向上させること、LPの流入元であるリスティング広告などの費用対効果を高めることです。
現時点で既にある程度の成果が出ている場合であっても、LPOは以下の理由で重要だと言えます。
- LPから得られる成果に上限がなく、改善しただけ成果が上がるから
- 成果を上げることは費用対効果の改善にもつながるから
- 常に最新の情報を伝えるため
- ユーザーや市場のニーズ、外部環境の変化に柔軟に対応するため
LPOの手順
LPOの大まかな手順を確認しておきましょう。
手順 | 詳細 |
---|---|
1. 現状分析 | ・コンバージョン率、滞在時間、流入元広告の検索キーワード、スクロールの距離(深さ)、ファーストビューの離脱率などを分析(Googleアナリティクス、ヒートマップツールなどを使用) |
2. 目標設定 | ・具体的に測定可能な目標の設定(コンバージョン率、滞在時間、申込みボタンクリック率、ページ読了率の向上 など)・達成期限の設定 |
3. ターゲットの明確化 | ・LPを訴求するターゲット(ペルソナ)の再確認・LPを複数運用している場合は、ターゲット毎に合った訴求ができているか確認 |
4. コンテンツの最適化 | 以下の「具体的なLPOの改善策例」で解説 |
5. A/Bテスト | ・「 4. コンテンツの最適化」で異なるバージョンのページを作成し、比較する(例:従来のLP vs ボタンの色を変更したLP など) |
6. 効果測定 | ・設定した目標に対する成果を検証し、さらに改善を繰り返す |
上記のような流れで「現状分析」→「施策の立案・実施」→「効果検証」を何度も繰り返すことで、コンバージョン率の改善を目指します。
具体的なLPOの改善策例と押さえるべきポイント
以下では先のLPOの手順の中で説明した「4. コンテンツの最適化」について、具体的に何を行えばよいのか、その施策にはどんな効果があるのか、一例を紹介します。
ファーストビューの改善
ユーザーがLPに訪れた瞬間に目に入る情報(ファーストビュー)の改善は、LPOの最優先事項です。
アメリカのミズーリ工科大学のチームが2012年に発表した研究結果によれば、ユーザーがWebサイトの第一印象を形成するまでにかかる時間は、0.2秒未満とされています。また、一般的には約70%のユーザーがファーストビューでページを離脱するとも言われています。
つまり早期の離脱を防ぐためにはファーストビューを改善する以外に方法はありません。
- 流入元(リスティング広告など)の内容とファーストビューの情報に乖離がないか
- 一目で何を紹介しているページかがわかるか
- ターゲットに受け入れられるデザイン・キャッチコピーか
- 具体的な実績を示せないか(●●賞受賞、●●%のユーザーが効果を実感 など)
- CTA(Call To Action、申込みなどのボタン)が設置してあるか
上記のポイントを参考に、ファーストビューに改善の余地がないか、検討してみましょう。
表示速度の改善
ページの表示速度は、ファーストビュー以前の基本的な問題です。あまりにもページの読み込み速度が遅いと、ページが開く前にユーザーが離脱してしまいます。
ページ速度を改善するためには以下のような取り組みが有効です。
- 画像サイズの最適化
画像サイズを圧縮して容量を削減、容量が少ないフォーマット(WebP)などの利用、画像の数を最小限にする など - キャッシュの活用
サーバーサイドキャッシュ(Webサーバー上にデータを一時保存)の利用 など - コードの最適化
使用していないCSS、JavaScriptの削除 など - LPの長さの調整
ページの長さを調整(表示速度だけでなく、ユーザーの読了率にも関係する)
CTAの改善
申込みボタンなどのCTAの改善も重要です。クリック率の改善は、コンバージョン率の向上に直結します。
施策 | 例 |
---|---|
適切な位置に配置 | ファーストビュー、メリット訴求の直後、クロージング、フローティング表示など |
具体的な行動を表現 | 「申込みボタン」→「申し込む」 |
安心感を訴求 | 「30日間無料お試し」 |
限定感の訴求 | 「24時間限定●●%オフ」 |
ベネフィットの訴求 | 「経験豊富な講師が指導」→「成りたい自分を叶える指導」 |
色の変更 | 青→緑に変更 |
ご覧のとおりCTAはボタンだけでなく、上部などに付与するコピー(マイクロコピー)も非常に重要な要素です。ボタンとマイクロコピーは常にセットで考えましょう。
広告とのズレを解消
LPはリスティング広告やメルマガ、SNSなどからの流入が多いページです。訪れるユーザーが期待している事とLPの内容が一致しているか、確認してみましょう。
例えば「初回50%オフ!」という広告の表現に惹かれて来訪するユーザーには、ファーストビューで「初回50%オフ」が目に入るように訴求すべきでしょう。仮にページ内でその内容が見つからなかったら、ユーザーは失望して離脱する可能性が高いです。
また広告の視点からも広告の表現とLP(遷移先)の関連性は重要です。関連が高い、すなわちユーザーの利益になる広告に改善できれば、表示順位・表示回数の改善や、広告料の削減にもつながります。
関連:リスティング広告とは
スマホビューの最適化
スマホビューへの最適化は行っておきましょう。
総務省が2024年6月に公開した「通信利用動向調査」では、調査対象の約72%がスマートフォンでインターネットを利用していると報告されています(パソコンは47%)。
デザインがスマホ表示に最適化されていることはもちろんのこと、スマホでも押しやすいボタンの大きさ、読みやすい行間の広さ、テキストのサイズ、ページ全体の長さなど、スマホユーザーの目線で改善できる部分がないか、探してみてください。
ページ構成・訴求の流れの最適化
わかりやすく、行動したいと思える構成や訴求の流れになっているか、改めて精査します。消費者心理の法則に基づいたり、ストーリーテリングの使用が効果的です。
【AIDAの法則】
- Attention(注目): ファーストビューで注目を集める
- Interest(興味): 商品・サービスの特徴やメリットを紹介し、興味を抱かせる
- Desire(欲求): ベネフィット(どんな価値や体験が得られるか)を強調して、欲しいと思わせる
- Action(行動): 適切な CTA で行動を促す
【適切なストーリーテリング】
- 問題提起:ユーザーが抱える課題を具体的に提起し共感する
- 解決策の提示:商品・サービスでどう解決するのか示す
- 成功事例:ユーザーの声や事例を紹介する
その他の修正・補強
その他、LPOでは以下のような施策も取り入れられないか、検討してみましょう。
- お客様の声・サービス導入例を入れる
- 流入経路によって複数のデザインのLPを用意する
- LP全体の長さを極端に短くする(情報を絞る)
- 入力フォームへ遷移させるのではなく、入力フォームをLPに埋め込む
- ユーザーの行動に合わせてポップアップを表示させる
- 動画を埋め込む
- サイト内検索を設置する
- ユーザーが参加できるコンテンツ(診断など)を導入する
LPO対策にかかる費用
LPOは無料でできるものもあれば、専門家への依頼が必要な施策もあります。例えば上記で紹介した施策のうち「CTA・マイクロコピーの文言の変更」「画像のリサイズ」などは、自社で無料で対応できるかもしれません。
LPOを外部委託するときの費用
リソースなど社内の都合により、LPOを外部委託したいケースもあるでしょう。金銭的なコストはかかるものの、確実な成果に結びつけられます。
LPOの外部委託の費用の一例は以下のとおりです。ただしLPの内容によって大きく異なり、あくまで目安です。
委託内容 | 相場 |
---|---|
新規LPの制作 | ・フリーランスなど:〜30万円程度 ・中小制作会社:〜60万円程度 ・大規模制作会社:60万円〜 |
既存LPの修正など(単発) | 5〜20万円 |
現状分析・施策の実施(継続) | 30万円前後 |
LPOツールの契約 | 初期費用10万円前後、月額料金2〜4万円 |
無料のLPOツール
専門的な知識がなくても使える「LPOツール」では、ヒートマップを使ったユーザー行動の分析、ABテストの実施、デザインの改修などが行えます。
LPOツールには無料から使えるものもありますが、そのほとんどに使用制限があり、本格的に使用するには有料プランへの加入が必須です(Ptengine、Mouseflow、Juicerなど)。
そこでLPO施策を行う際は、まずはWebサイト分析、SEO対策でもおなじみの以下の無料ツールを導入すると良いでしょう。これらのツールでも基本的なLPの分析は可能です。
- Googleアナリティクス
- Googleサーチコンソール
- Microsoft Clarity(無料で使えるヒートマップツール)
関連:初心者向け Googleサーチコンソール(Search Console)とは?使い方、設定、活用方法をわかりやすく解説
まとめ
LPのコンバージョン率を上げるための一連の施策である「LPO」について、概要から効果的な施策例を紹介しました。
- LPで継続的に成果を出すためには分析→施策の立案→A/Bテスト→効果測定を繰り返すことが重要
- 特に重要なLPO施策には「ファーストビューの改善」「表示速度の改善」「CTAの見直し」「広告とLPの内容の一致」などが挙げられる
- 継続したLPO施策の委託費の相場は30万円程度
LPは作成して終わりではなく、常にブラッシュアップしていくことが大切です。LPの改善はコンバージョン率や広告費の削減にもつながります。
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