リスティング広告はいくらから出せる?予算の決め方・広告費をムダにしない基本的な考え方

  
リスティング広告はいくらから出せる?予算の決め方・広告費をムダにしない基本的な考え方
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リスティング広告はいくらから出せる?予算の決め方・広告費をムダにしない基...

リスティング広告を出稿する際に気になる広告費。Web広告の予算は目的や業界、競合の状況などで大きく変わるため、リサーチしても具体的な金額がわからないことがほとんどです。仮に予算を決めたとしても、それが妥当な金額なのか、不安に感じることも多いでしょう。

この記事ではリスティング広告の費用が決まる仕組みと、具体的にどれくらいの予算を設定すればよいのか、その考え方をお伝えします。

リスティング広告だけでなく、Web広告の予算を検討する際に幅広く使える考え方です。ぜひ、参考にしてください。

リスティング広告の費用の仕組み・原則

リスティング広告とはユーザーがブラウザで検索したときに、検索したキーワードに応じて検索結果ページの上部に表示されるテキスト形式の広告です。

例えばGoogleで「ノートパソコン 法人 おすすめ」と検索すると、検索結果の上部には法人向けのパソコンを販売する業者の広告が表示されます。

リスティング広告はユーザーの検索したキーワードに関連する内容が表示されることから「検索連動型広告」とも言います。

関連:リスティング広告とは

この記事のテーマであるリスティング広告の費用を知るには、以下の2つの原則を理解しておく必要があります。

原則① クリック課金制

リスティング広告は広告(テキスト)がクリックされると課金されるクリック課金制(PPC広告)です。

Web広告の課金形式には主に「クリック課金制」と、広告が表示されるだけで課金される「インプレッション課金制」があります。クリック課金制のリスティング広告は、

  • ムダな広告費が発生しない
  • 小規模な予算でも始められる
  • 関連キーワードで検索したユーザー = 購買意欲が高いユーザーにのアプローチできる

といったメリットがあります。

原則② オークションシステム

リスティング広告は「オークションシステム」によって掲出される広告と順位、クリックあたりの単価が決まります。

▼広告が掲載されるまでの流れ

  1. 広告主が特定のキーワードについて「1クリックいくらまでなら支払っても良い」という単価(入札単価)を指定する
  2. ユーザーが該当のキーワードで検索すると、競合の広告主同士でオークションが発動する
  3. 入札単価と広告の質を示す「品質スコア」などの要素が総合的に判断され、掲載順位と最終的なクリック単価が決まる

つまりリスティング広告では、「オークションで決まったクリック単価×クリック数」が実際に支払う広告費となります。

リスティング広告の費用(予算)の決め方・計算方法

リスティング広告の費用の決まり方を説明しました。ここで気になるのが、どのような根拠で1ヶ月毎の広告予算を決定すれば良いのかということです。

以下では4種の予算の決め方を紹介します。広告を出稿する目的や自社の置かれた状況を踏まえて、最適な予算を検討してみてください。

  1. 目標CV数
  2. 平均クリック単価
  3. 売上目標
  4. 業界の相場

①目標CV数から決定

最も一般的でシンプルな方法が獲得したいコンバージョン(CV)数から予算を決定する方法です。

  1. 目標CPA(1件のCVにかけられる最大費用)の算出
    (製品の販売価格 – 原価 ‐ 粗利益)
  2. 目標CPA × 目標CV数 = 広告予算
例:製品の販売価格(1万円)- 原価(2,000円)- 粗利益(5,000円)= 目標CPA(3,000円)目標CPA(3,000円)×  目標CV数(100)=30万円

獲得したい目標が明確で、そこから逆算して予算を決めたいときに使えます。

②平均クリック単価から決定

広告掲載を狙いたいキーワードごとの平均クリック単価はGoogle広告内の「Googleキーワードプランナー」というツールで無料で確認できます。

1.Googleキーワードプランナーにアクセス(初めて利用する際はアカウントを作成)

2.「検索のボリュームと予測のデータを確認する」をクリック

3.確認したいキーワードを入力して「開始する」をクリック

※CSVなどにまとめたファイルをアップすることもできます。

4.入札単価を確認する

キーワードプランナーでは「上部に掲載された広告の入札単価」の「低額帯」と「高額帯」が表示されます。両者の平均を計算することで、おおよその平均クリック単価がわかります(上記の「ビジネス ノートpc おすすめ」なら(71+315) ÷ 2 = 193)。

リスティング広告は複数のキーワードで設定することがほとんどです。各キーワードの平均クリック単価を合算した金額から広告予算を算出します。

  • 平均クリック単価(合算) × 目標クリック数(合算) = 広告予算
例:平均クリック単価(1,500円)× 目標クリック数(200)=30万円 

これまでの実績からランディングページ(LP)のコンバージョン率がわかっており、売上目標に必要なクリック数を算出できる際は、この方法が使えます。

③売上目標から決定

売上目標と売上に対する広告費の割合が決まっているときに使えるシンプルな方法です。

  • 売上目標 × 広告費の割合 = 広告予算
例:売上目標(100万円)× 広告費の割合(30%)=30万円 

店舗などの小規模な事業者は、売上の5〜10%程度で運用することが多いです。

④相場を参考にする

中小企業のリスティング広告の費用相場は30〜50万円程度です。また初めて出稿する際は10万円〜30万円程度でスタートすることが多いです。

実際、弊社が支援する企業の◯%が30〜50万円の範囲で運用しています。

このような相場を参考にして決める方法もあります。

ただしWeb広告の相場は業種や狙いたいキーワード、競合状況によって大きく異なり、上記の相場がまったく参考にならないこともあります。

そこで、リスティング広告の導入時は代理店と相談しながら進めるのも1つの方法です。

代理店に委託するときの費用

一般的な代理店への委託費の相場は月額広告費用の20%程度です。仮に月額予算が30万円の場合、6万円を手数料として支払います。

また手数料は広告費に上乗せするケースと、予算に含めるケースがあります。

例上乗せ:30万円(広告費)+手数料(6万円)包含:24万円(広告費)+手数料(6万円)
包含する場合、その分、Googleへ支払う広告費が少なくなる

代理店に委託できる業務の一例は以下のとおりです。

  • アカウントの設計
  • キーワード / 除外キーワードの選定
  • 広告(テキスト)の作成
  • ランディングページの改善
  • 打ち合わせ
  • レポート など

アカウント設定など、重要かつ工数がかかる導入作業を委託できるのは大きなメリットと言えます(運用費とは別に手数料がかかることもあります)。

代理店 / 自社で運用するメリット・デメリット

代理店運用自社運用
メリット・最新の情報、知見の下で運用できるため、成果を最大化できる・社内のリソースを割かなくても良い・予算を最大限、広告費に充てられる・社内にノウハウが蓄積される
デメリット・委託費が別途かかる・社内にノウハウがたまりにくい・運用に多大なリソースが取られる・自社のみでノウハウを得るには限界がある
おすすめ・広告費30万円以上・社内にほとんどノウハウがない・効率よく、最大限の成果を出したい・運用にリソースを避けない・広告費30万円以下・過去に運用経験がある・ノウハウを蓄積して、長い目で成果を出していきたい

代理店に運用を委託することで、社内にノウハウがない段階でも効率よく成果を出せます。一方、少額で運用する場合は、代理店に依頼しても効果を感じにくいかもしれません。

リスティング広告の費用対効果を高める方法

以下では、リスティング広告の費用対効果を高めるためにできる取り組みや、考え方を紹介します。

成約率が高い「顕在層」を意識する

リスティング広告ではより成約率が高い顕在的なニーズを持つユーザーへのターゲティングが重要です。そもそもリスティング広告で訴求するユーザーは、既にそのキーワードに対して高い関心を持っており、成果につながりやすいと言えます。

より具体的なニーズに対応するには、例えば「法人 ノートパソコン」よりも「法人 ノートパソコン 15インチ 安い」のように、キーワードをより絞る(ロングテールキーワードにする)ことが効果的です。

逆に潜在的なニーズ(ユーザーがまだ気付いていないニーズ)へ訴求する場合は、ディスプレイ広告など、他の広告を検討する方が良いでしょう。

関連:初心者でもわかる「Google広告とは?」仕組みやメリットを解説

柔軟に広告費を調整する

リスティング広告のメリットは掲載後であっても、柔軟に広告費を調整できることです。費用対効果を高めるには、最新の成果や季節、イベント、競合など外部要因を加味しながら、柔軟に調整を続けることがポイントです。

またこの柔軟性を最大限に活かすために、予め「撤退ライン」や「増額の基準」を決めておくと良いでしょう。例えば「CPA(1件のCVにかけられる最大費用)が3,000円のところ、5,000円を超えてしまったら撤退する」と決めておけば、感情ではなく客観的に判断できます。

広告を改善し続ける(品質スコアを上げる)

冒頭でリスティング広告の掲載順は「入札単価と広告の質を示す『品質スコア』などの要素が総合的に判断され決まる」とお伝えしました。つまり品質スコアを高めれば、より低い予算(入札単価)でも上位表示が見込めるということです。

Googleは品質スコアを「リスティング広告とランディングページの有用性・関連性」「LPへの期待値」「LPのナビゲーションのしやすさ」などと説明しています。

要するに「広告とLPに一貫性を持たせて、ユーザーの期待に応える広告にブラッシュアップする」ことが品質スコアを高めることに繋がります。

関連:リスティング広告とは

除外キーワードを設定する

広告を表示させない「除外キーワード」を設定し、表示対象を絞り込むことも有効です。

例えば法人用の新品のノートパソコンを販売する広告で「デスクトップ」「中古」といったキーワードを除外すれば、新品の法人用ノートパソコンを探しているユーザーにのみ広告が表示され、ムダなクリックを減らせます。結果、同じ予算でより多くの成果が期待できます。

ランディングページ(LP)を最適化する

広告の遷移先であるランディングページ(LP)を改善することも、費用対効果を高めるためには重要です。

「ボタン(CTA)の文言の修正」「ページの読み込み速度の改善」「スマホ表示への最適化」などの施策でコンバージョン率(CVR)を高めることが、効率の良い広告運用に直結します。

また先述のとおり広告文とLPに一貫性を持たせることも広告の品質を高める上で大切です。

関連:LPOとは

まとめ

リスティング広告の費用の仕組みと予算の決め方、費用対効果を高める方法を紹介しました。

  • リスティング広告はクリックされることで費用が発生する「クリック課金制」で、入札単価や広告の品質などを加味した「オークション」で掲載順が決まる
  • リスティング広告の1ヶ月の費用は30〜50万円、最初は10万円程度で始めることが多いが、あくまで目安であり状況による
  • 予算は「目標のCV数」「平均クリック単価」「売上目標」など、広告を出す目的によって決める
  • 「潜在層に対応する」「広告の品質スコアを上げる」「LPを最適化する」ことで費用対効果を高められる

リスティング広告は柔軟に費用を決められることが大きなメリットです。 最初は少額でスタートし、徐々に増額していくのが良いでしょう。ただ、最初はハードルが高いため、代理店に運用を委託するのも1つの方法です。

代理店運用自社運用
メリット・最新の情報、知見の下で運用できるため、成果を最大化できる・社内のリソースを割かなくても良い・予算を最大限、広告費に充てられる・社内にノウハウが蓄積される
デメリット・委託費が別途かかる・社内にノウハウがたまりにくい・運用に多大なリソースが取られる・自社のみでノウハウを得るには限界がある
おすすめ・広告費30万円以上・社内にほとんどノウハウがない・効率よく、最大限の成果を出したい・運用にリソースを避けない・広告費30万円以下・過去に運用経験がある・ノウハウを蓄積して、長い目で成果を出していきたい

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