初心者でもわかる「Google広告とは?」仕組みやメリットを解説
世界中のインターネットユーザーの90%以上にリーチできるとされているGoogle広告は、Web広告の、第一候補として考えられます。
しかしGoogle広告に対して「種類が多すぎる」「入札システムが複雑」「運用が大変そう」というネガティブなイメージを抱く初心者も少なくありません。
この記事では企業経営者やWeb担当者に向けて、Google広告の基本的な仕組みから種類、費用、強み、注意点まで、包括的に解説します。
Google広告の概要を知ることで、インターネット広告全般への理解度も上がります。ぜひ、参考にしてください。
Google広告とは
Google広告(2018年までは「Google AdWords」)はGoogleが提供するWeb広告のプラットフォームです。Googleの検索エンジンやYouTubeなどの関連サービスで自社の製品・サービスを訴求できます。
Googleの強みである検索エンジンを活用し、特定のキーワードで検索したユーザー、興味を持つユーザーに対して効率良く広告を配信できます。Google広告にはテキスト形式の広告(リスティング広告)から画像広告(ディスプレイ広告)、動画広告など、様々な形態があります。
※広告主が期間、費用、広告の出稿先などを自由に決められる広告を「運用型広告」といい、Google広告もそのうちの1つです。 |
Google広告の仕組み
Google広告が表示されるプロセスで「オークション」が行われます。ここではオークションの仕組みを簡潔にまとめます。
まず、広告主がテキストや画像などの広告物を作成して、自社の製品・サービスを訴求させたいキーワードと入札単価を設定します。
ユーザーがそのキーワードで検索するとGoogleは以下の基準をふまえた「広告ランク」を計算して、高い順に広告を表示させます。
- 入札単価(●●円/クリック)
- 品質スコア(1〜10)
- 広告表示のオプション効果
注目すべきは「品質スコア」という指標です。
Google広告の品質スコア
Googleは広告の品質を1〜10点で評価します。品質スコアは主に以下の3つの要素で算出されます。
- 推定クリック率
広告がクリックされる確率 - 広告との関連性
ユーザーの検索意図と広告がどれくらい関連しているか - ランディングページの利便性
リンク先のページがユーザーにとって有用なものか(内容、表示速度など)
Google広告では、ただ単に高い入札単価を設定するだけでなく、ユーザーに有益な広告でなければ上位に表示させることができません。
Google広告の種類(キャンペーン)と費用相場
Google広告には複数の形態があり、また常に新しい広告が試されたり統合されるなどして、変化を続けています。
費用相場は広告の種類やキーワードの分野、業界、競合状況によって大きく変動します。以下ではGoogle広告の種類と特徴、費用感を紹介します。
広告の種類 | 特徴 | 費用相場(1ヶ月) |
---|---|---|
リスティング広告 (検索連動型広告) | ・テキスト形式 ・ユーザーの検索意図に合わせて広告を表示 | 約20〜50万円 |
ディスプレイ広告 | ・主に画像・動画・広告枠に表示・ターゲティングが得意 | 約20〜50万円 |
動画広告 | ・YouTubeなどの動画サイトに表示・ブランド認知、製品・サービス紹介に強み | 約15〜30万円 ※動画制作費は別 |
ショッピング広告 | ・商品画像、商品名、価格、店舗名などを表示・検索結果の上部、ショッピングタブなどに掲出 | 約10〜50万円※商品数により異なる |
ファインド広告 (ディスカバリー広告) | ・新規開拓、商品認知を目的に、自然に表示させる・Googleサービス内で表示 | 約10〜50万円 |
アプリ広告 | ・アプリの宣伝、インストールやアクションを促進する・検索結果、アプリ配信サービスで表示 | 約20万円〜 |
スマートアシストキャンペーン | ・簡単な設定で始められる、機械学習で最適化された広告・小規模ビジネス向けで、比較的低コスト | 約5〜20万円 |
P-MAXキャンペーン(Performance Max キャンペーン) | ・ほぼ全ての広告枠をカバーでき、細かい設定を自動で調整・スマートアシストよりも結果を重視 | 約10〜50万円 |
※Google広告では予算、配信先、ターゲット地域、スケジュールなど、広告を管理する枠組みを「キャンペーン」と呼びます。 |
リスティング広告(検索連動型広告)
Google広告の最も主要な形式の1つで、ユーザーがGoogleで検索を行ったときに、検索結果の上部、下部に表示されるテキスト形式の広告です。
ユーザーの検索意図に合わせて広告が表示されるため、顕在的なニーズに対して高い効果が期待できます。予算や表示させる地域・時間帯などを細かく設定できます。
基本的には広告がクリックされたときにのみ、広告主に課金されます(課金の種類は後述します)。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告もGoogle広告の主要な形式の1つで、Webサイト、アプリ内の広告枠に表示される画像・動画の広告です。
ディスプレイ広告はユーザーの興味、関心、過去の閲覧履歴などを参考にターゲティングして表示できます。リスティング広告よりもクリック率は低い傾向にありますが、大規模なリーチと、視覚的なアピール、リマーケティング(過去にサイトに訪れたユーザーへの再アプローチ)が得意です。
ディスプレイ広告はクリック課金と、表示さる回数に応じた課金(インプレッション課金)があります。
Google広告と連携する多数のWebサイト、アプリ、動画などの集合体をGoogleディスプレイネットワーク(GDN)と呼びます。GoogleはGDNによって世界中のインターネットユーザーの90%以上に広告を配信します。 |
動画広告
文字通り動画による広告で、視覚と聴覚で訴求する広告形式です。主にYouTubeや、Googleの審査をクリアした動画サイトで表示されます。ブランド認知、製品・サービスの詳細な紹介に効果的です。
例えばYouTubeに表示される広告には、動画の前後や途中に挿入される「インストリーム広告」、6秒間の短い「バンパー広告」、検索結果・関連動画に表示される「ディスカバリー広告」などがあります。
視聴回数やクリック数、表示回数など、目的に応じた多様な課金形式があります。
ショッピング広告
ショッピング広告はGoogleの検索結果の上部やショッピングタブなどに表示できる広告です。商品画像、価格、商品名、店舗名などを含みます。
ショッピング広告はキーワードの設定が不要で、Googleが検索キーワード(クエリ)との関連性から自動で表示します。具体的な商品名を検索するユーザー=購入意欲の高いユーザーへ訴求でき、クリック率も高い傾向にあります。
広告がクリックされたときのみ課金されます。
ファインド広告(ディスカバリー広告)
ファインド広告はユーザーが新しい商品を発見することを目的とした広告です。能動的に情報を検索していないユーザーに自然に訴求して、新規開拓、商品の認知を促します。
Google DiscoverやYouTubeのホームフィードなどに画像やテキストと組み合わせて表示されます。ユーザーの興味や関心、検索履歴をもとにしたターゲティングで高いコンバージョン率が期待できます。リターゲティング広告とは異なり、一度もサイトに訪れたことがないユーザーにも表示されます。
課金形式はクリック課金です。
アプリ広告
出典:アプリ広告: 新規ユーザー獲得 – Google 広告
モバイルアプリの宣伝、インストール促進を目的とした広告です。Google検索やGoogle Play(アプリ配信サービス)などにテキスト、画像、動画を組み合わせて表示します。
アプリのインストール数を増やすことや、アプリ内での特定の行動(購入、予約など)を促します。インストールやアプリ内でのアクションごとに課金されます。
スマートアシストキャンペーン
約15分程度の簡単な設定で始められる、小規模ビジネス向けの広告です。基本的な情報を入力するだけで、機械学習が広告配信を最適化し、キーワードの選定から入札額の調整まで自動で行ってくれます。
Google検索やマップ、YouTubeなど多様な場所に配信されます。クリック課金方式です。
広告運用の経験が少ない人向けで、細かい設定をしたい人は他のキャンペーンの方が向いています。
P-MAXキャンペーン(Performance Max キャンペーン)
2021年11月に導入された、比較的新しい広告です。1つのキャンペーンでほぼすべてのGoogle広告枠に配信でき、配信先、クリエイティブ、ターゲティング、入札などを自動で調整してくれます。
多くのユーザーに届くリーチ力、細かい調整が不要なこと、効率的なコンバージョン獲得などが強みです。先のスマートアシストキャンペーンと似ていますが、より成果を求める手法で、広い範囲に訴求しつつ結果も残したいときに適しています。
リスティング広告、ディスプレイ広告の補完としての利用も推奨されます。
Google広告の予算の決め方
Google広告には定価がなく、商材、競合状況で費用は大きく変わります。そこで予算を決める際の考え方の1つがコンバージョン率を使う方法です。
例えば過去のデータから、自社サイトの訪問者100人のうち3人が成約していることがわかっているとします(コンバージョン率3%)。
今回、Google広告を通して新たに30個を売り上げたい場合、1,000人を集客する必要があります(30個 ÷ 3%)。この集客数1,000人にクリック単価を掛けることで、おおよその予算を算出できます。
例:1,000人 × 200円 = 20万円
クリック単価の目安はGoogleキーワードプランナーで確認できます。
Google広告の課金形態
Google広告には主に以下4種類の課金形態があります。
- クリック課金 (CPC: Cost Per Click)
広告がクリックされたときに費用が発生する。リスティング広告でよく使用される - インプレッション課金 (CPM: Cost Per Mille)
広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する。ディスプレイ広告、動画広告で使用される - 視聴課金 (CPV: Cost Per View)
動画広告が一定時間視聴されたときに費用が発生する。YouTubeなどで使用される - コンバージョン課金 (CPA: Cost Per Acquisition)
設定した成果(購入、資料請求)などが発生したときに課金される
Google広告の特徴・メリット
以下ではGoogle広告全体の特徴や強みを5点お伝えします。
- 購買意欲が高いユーザーへの訴求
- 多様な広告のフォーマットとリーチ力
- ターゲティング精度
- 低コスト
- 詳細なレポート
購買意欲が高いユーザーへの訴求
Google広告は検索ユーザーへの訴求をベースとしています。何らかの悩みを解決したいユーザー、すでに商品やサービスに関心があるユーザーを対象とするため、一定の購買意欲がある前提でアプローチできます。
多様な広告のフォーマットとリーチ力
すでに見たように、Googleにはテキスト、画像、動画、ショッピングなど、多様な広告の形態があり、目的に合った広告が選べます。
またGoogleの検索結果、YouTube、Gmailなどのプラットフォームやサービス、他のパートナーサイトでも広告を配信できます。これによりインターネットユーザーの90%以上にリーチできると言われています。
ターゲティング精度
年齢、性別、地域、興味関心、検索履歴などの条件を組み合わせて広告を表示する対象を絞り込む「ターゲティング」の精度も高いです。
例えば「40代、女性、子育てに関心、神奈川県在住」といったような、自社の商材に関心を持つ可能性が高いユーザーに絞り込んだ訴求が可能です。
特にディスプレイ広告や動画広告でターゲティング機能を活かせます。
低コスト
小規模の事業者が低コスト・低リスクで始められることも大きなメリットです。1日数千円程度から試せます。これまでのマス広告と比べれば、気軽さは歴然と言えるでしょう。
リスティング広告などクリック課金が採用されているものであれば、無駄な費用は発生しません。また予算の上限を設定することで、想定外の支出も抑えられます。
詳細なレポート
Googleが提供する詳細な広告レポートも魅力です。クリック数、表示回数、CV率などの指標をキーワードごとに確認し、分析できます。
どの広告に効果があり、また見直しの余地があるのかを自社内で把握し、継続的にPDCAを回せます。
Google広告のデメリット
Google広告を運用する上で、あらかじめ知っておきたいデメリットも確認しておきましょう。
- キーワード選定が難しい
- ユーザーにネガティブな印象を与えることも
- 業種・業界によっては単価が高くなる
- リソースが必要
キーワードの選定が難しい
Google広告の課題の1つに、適切なキーワードを選ぶのが難しい点が挙げられます。Google広告は検索行為に対する広告ですので、そもそも、ユーザーがどのようなキーワードで検索するか正確に予想し、設定しなければいけません。
また単純なSEOとは異なり、ニーズの高いキーワードは競合も多いため、広告費用が高くなってしまうという難しさがあります。
適切なキーワード選定ツールを使ったり、何よりも継続した経験や学習が求められます。
ユーザーにネガティブな印象を与えることも
Google広告に限ったことではありませんが、Web広告に対してネガティブな印象を持つユーザーは一定数います。
過去にサイトに訪れたユーザーへ訴求するリマーケティング広告は「付きまとわれている感覚」を与えやすく、何度も表示される広告、コンテンツを遮るような広告は、ユーザーに不快な思いをさせる可能性があります。
ユーザーのWeb体験を邪魔することなく、バランスの良い頻度、内容での広告配信を心がけましょう。
業種・業界によっては単価が高くなる
訴求する商材の業種、業界によってはクリック単価が高くなることがあります。
特に1人の顧客を獲得するだけで大きな利益が見込める業界(金融、法律、不動産など……)は競争が激しく、これらの広告主は高い単価を設定してでも広告掲載を狙う傾向にあります。
リソースが必要
Google広告を効果的に運用しようとすると多くのリソースが必要です。
広告・キーワードの設定、入札額の調整、日々の広告パフォーマンスの分析には時間がかかります。また知識や経験が成果に直結することから、人的なリソースも必要になります。
本業を妨げないようにするために外部の専門家に運用を委託するのも有効な方法です。
まとめ
この記事ではGoogle広告の入門者向けの内容として、広告の仕組みや種類、メリット・デメリットを紹介しました。
- Google広告は主に検索エンジンを活用し、ユーザーの検索行動に対して広告を配信する
- 「オークション」形式で広告が表示される。入札単価だけでなく、1〜10点の「品質スコア」も広告表示の重要な要素になる
- 購買意欲が高いユーザーへの訴求、多様な広告フォーマット、リーチ力、低コストで始められるといったメリットがある
- キーワード選定の難しさ、ユーザーにネガティブな感情を与える可能性、運用にリソースが必要といったデメリットもある
また主なGoogle広告の種類と特徴も紹介しました。
広告の種類 | 特徴 | 費用相場(1ヶ月) |
---|---|---|
リスティング広告 (検索連動型広告) | ・テキスト形式 ・ユーザーの検索意図に合わせて広告を表示 | 約20〜50万円 |
ディスプレイ広告 | ・主に画像・動画・広告枠に表示・ターゲティングが得意 | 約20〜50万円 |
動画広告 | ・YouTubeなどの動画サイトに表示・ブランド認知、製品・サービス紹介に強み | 約15〜30万円 ※動画制作費は別 |
ショッピング広告 | ・商品画像、商品名、価格、店舗名などを表示・検索結果の上部、ショッピングタブなどに掲出 | 約10〜50万円※商品数により異なる |
ファインド広告 (ディスカバリー広告) | ・新規開拓、商品認知を目的に、自然に表示させる・Googleサービス内で表示 | 約10〜50万円 |
アプリ広告 | ・アプリの宣伝、インストールやアクションを促進する・検索結果、アプリ配信サービスで表示 | 約20万円〜 |
スマートアシストキャンペーン | ・簡単な設定で始められる、機械学習で最適化された広告・小規模ビジネス向けで、比較的低コスト | 約5〜20万円 |
P-MAXキャンペーン(Performance Max キャンペーン) | ・ほぼ全ての広告枠をカバーでき、細かい設定を自動で調整・スマートアシストよりも結果を重視 | 約10〜50万円 |
低コストで広告運用を丸投げできる
Google広告がビジネスに有効なのは間違いありませんが、設定、運用、分析、継続的な学習……と、社内で運用体制を整えるのが難しいことも多いでしょう。
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