【どっちが効果的】SEO対策とリスティング広告(Google広告)の違いと役割、使い分け方を解説

    
【どっちが効果的】SEO対策とリスティング広告(Google広告)の違いと役割、使い分け方を解説
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【どっちが効果的】SEO対策とリスティング広告(Google広告)の違い...

Webマーケティングの戦略を検討する際に「SEO対策とGoogle広告(リスティング広告)の運用、どちらに注力すべきか」迷うことは多いです。

両者は「対策」と「広告」という違いはあるものの、「自サイト・ページへの訪問者を増やす」という目的は同じであり、また似ている部分もあります。

そこでこの記事ではSEO対策とリスティング広告の特徴を改めて確認し、11の項目で比較します。

記事の最後では目的・ケースごとでどちらに力を入れるべきか提案しています。今後の方針を決める際の参考になれば幸いです。

SEOとリスティング広告(Google広告)

SEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)は自社のWebサイトやページを検索結果ページの上位に表示させる諸対策を指します。

一方リスティング広告(Google広告)は検索結果ページに表示されるテキスト形式の広告で、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示されます。

SEOとリスティング広告には以下のような共通点があります。

  • 目的
    いずれも検索によるWebサイトやページへの訪問者数を増やすために取り組む
  • アプローチ
    いずれもユーザーの検索キーワードに応じた内容の情報を提供し、悩みの解決を図る
  • キーワードの重要性
    いずれもユーザーが検索する可能性が高いキーワードを選定することが重要
  • 継続的な改善
    いずれも一度実施すればよいわけではなく、継続的に改善を続ける必要がある

これらの共通点があり、企業の担当者はどちらに比重を置くべきか、迷ってしまうかもしれません。

そこで以下ではまず、SEOとリスティング広告のメリット・デメリットを簡単に確認しておきます。

※「リスティング広告」は広告の種類(形式)の名称であり、Google広告、Yahoo!広告、Microsoft広告で出稿できます。この記事では主にGoogleが提供するリスティング広告について解説していますが、その他の媒体でも基本的な考え方は同じです。

SEO対策のメリット・デメリット

検索エンジンへの対策やコンテンツの充実によって検索順位のアップを狙う「SEO対策」には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

【SEO対策のメリット】

  • 広告費を削減できる
  • 作成したコンテンツ(ページ、記事など)が集客ツールになり、収益を生み出す「資産」になる
  • 自身のニーズ・悩み・興味が明快で、購買意欲が高い見込み客を集客できる
  • 検索結果の上位に表示されることが、業界における権威性・信頼性になる
  • ユーザーが検索するキーワードを調査したり、ユーザーの悩みを想定してコンテンツを作ることで市場のニーズと向き合える
  • 業種・業界に関わらず取り組める

【SEO対策のデメリット】

  • 検索エンジンの評価に時間がかかるため長期的な取り組みが必須
  • 対策をしても必ず上位に表示される保証がないため、売上の予測が立てにくい
  • コンテンツづくりには費用と時間がかかる
  • 定期的なGoogleのアルゴリズム改定により、それまでの評価(順位)が一変するリスクがある

SEO対策の最大のメリットは広告費(固定費)がかからないことです。対策が功を奏して上位に表示させることができれば、無料で広告と同様の成果を上げられます。

対してSEO対策の弱点はその不確実さにあります。施策によって必ず成果が出るわけではなく、また一夜にしてこれまでの評価が吹き飛んでしまうリスクもあります。

見方によってはSEOは「ハイリスク・ハイリターン」と言えるのかもしれません。

関連:【最新】今もSEO対策が重要な理由とメリット・デメリット

リスティング広告(Google広告)のメリット・デメリット

ユーザーが検索したキーワードに連動して検索結果ページの最上部にテキストで表示される「リスティング広告」には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

【リスティング広告のメリット】

  • 入稿後、最短で数分から数時間後には表示され、即効性がある
  • SEOと同様に訪問するユーザーはニーズや悩みに自覚的で、購買の意欲が高い
  • キーワードの選定など、SEO対策で得られた経験や知識、スキルを活かせる
  • 金額、配信地域・時間帯、広告の内容(文章)など、掲載後でも柔軟に変更できる

【リスティング広告のデメリット】

  • キーワードの選定、広告文の作成、予算配分、ターゲティング設定など、多様なスキルが求められる
  • 競合、業界、状況によって、入札単価(クリック単価)が高くなることがある
  • リテラシーが高いユーザーはリスティング広告をクリックしない傾向がある(バナーブラインドネス)

リスティング広告の大きな特徴が「確実性」です。広告費の対価として、広告の掲載が保証され、ある程度の成果を事前に予測できます。

一方リスティング広告は掲載し続ける限り費用が発生する他、初心者には難しい高度な運用スキルが求められます。

関連:初心者向け リスティング広告とは?今すぐ始めたくなるメリット・やり方を解説

【11項目】SEOとリスティング広告の違い

以下ではSEOとリスティング広告を11の項目で比較していきます。それぞれの強み・適性をより深く理解する参考にしてください。

  • ターゲット層
  • 費用
  • 露出のコントロール性
  • 競争の難易度
  • 即効性 / 持続性
  • クリック率
  • サイト評価(検索エンジン/ユーザー)
  • 将来性
  • 運用・管理の労力
  • 効果測定
  • リスク

ターゲット層

SEOリスティング広告
(Google広告)
ユーザー層潜在層/顕在層顕在層
購買意欲高め非常に高め
検索キーワード具体的より具体的
リテラシーやや高めやや低め

リスティング広告の方がより顕在層へのアプローチが得意です。顕在層とは自分の興味やニーズを自覚しており、すでに商品・サービスの調査を進め、積極的に検討しているユーザーです。

顕在層はより具体的なキーワードで検索することが多く、広告/非広告を問わず、自分に関係しそうな情報を貪欲に探しています。そこで適切な「後押し」ができれば、購買にかなり近づけることができます。

ただしWebリテラシーが高いユーザーは広告のクリックを避ける傾向が強いため、そのようなユーザーへの訴求にはSEOで順位を上げたコンテンツで、じっくり検討してもらう方が向いています。

費用

SEOリスティング広告
(Google広告)
広告費無料継続して発生
初期費用やや高め低め
かかる費目
※は外注の場合
・人件費※コンテンツ制作費※SEO対策費・人件費・広告費(20〜50万/月)※LP制作費※設定・運用費
費用対効果高い
費用回収不確定ある程度予測可

費用は社内で対策・運用するのか、外部に発注するのかによって大きく変わります。

当然ながらリスティング広告を出稿すれば継続的な広告費が発生します。

SEO対策で上位表示させることができれば、広告と同等の効果を無料で得られ、費用対効果は非常に高いと言えます。ただしその保証はないため費用を回収できない可能性もあります。

SEOはサイトやページ(記事)の制作を外注する際に初期投資が必要です。リスティング広告にはまとまった初期費用はかかりません。

※ ただし専用のランディングページ(LP)を用意する場合は、制作費がかかります。

関連:一から理解する「ランディングページ(LP)とは?」基本から重要性まで

関連:リスティング広告はいくらから出せる?予算の決め方・広告費をムダにしない基本的な考え方

露出のコントロール性

検索結果ページへの露出をコントロールしやすいのはリスティング広告です。

そもそもSEO(検索順位)は検索エンジンによる評価で決まるため、完全にコントロールできません。

リスティング広告は検索キーワードや条件、クリック単価を適切に設定できれば、狙いを定めて広告を出せます。極論、予算(広告費、運用費)が大きいほど露出を高められます。また途中で広告の出稿を停止したりと、柔軟に対応できます。

競争の難易度

SEOリスティング広告
(Google広告)
難易度高い中程度
(予算次第)
参入障壁専門知識予算
競争すること検索順位
(コンテンツの評価)
・クリック単価・広告の質、評価
勝つための対策・コンテンツの質の改善・検索エンジンへの対策・被リンク獲得・広告文を最適化・適正な単価を入札

競争に勝つための難易度はどちらも簡単ではありません。両者は成果を出すために注力するポイントが異なります。予算次第といった点では、リスティング広告の方がやや難易度は低いかもしれません。

リスティング広告はより高い単価で入札することを争います。適正な単価で入札したり、広告文を最適化して投資効率を上げることが重要です。

SEOは検索エンジンからより優れた評価を得て高い順位を取ることを争います。そのためには、コンテンツの質を高めたり、検索エンジンにページを見つけてもらいやすくする「内部対策」や、他のサイトからリンクしてもらう「外部対策」など、幅広い対策が求められ、難易度は高めです。

関連:内部対策とは

関連:外部対策とは

即効性 / 持続性

SEOリスティング広告
(Google広告)
即効性低い高い
持続性低い予算次第

リスティング広告は出稿後、最短で数分から数時間で検索結果の上位に表示させる即効性があります。SEO対策はすぐに成果を出すことが苦手で、効果が出るまでに数ヶ月から1年単位でかかることも珍しくありません(効果が出ないこともあります)。

また効果の持続性という点でも、SEOは不安定です。対策をして上位を獲得できても、Googleなど検索エンジンのアップデートや競合の対策によって、順位が一転してしまうことがあります。リスティング広告は、広告費を投入し続ける限り、ある程度の成果が継続します。

クリック率

検索結果ページは上の画像のようにリスティング広告(「スポンサー」と表記されているもの)がSEO(自然検索)の上に表示されます。上の例の場合は上位3つがリスティング広告で、4つ目にようやくSEO最上位のページが表示されています。

しかし先述の通り、リテラシーの高いユーザーほど広告のクリックを避けます。業界や検索キーワードによって大きく異なるものの、リスティング広告よりも自然検索(SEO)ページの方がクリック率が高くなる傾向があります。

  • リスティング広告:数%〜10%程度
  • 自然検索(SEO)1位:数十%

参照:Google Click-Through Rates (CTRs) by Ranking Position in 2025 – First Page Sage

クリック率という点では、SEOで上位を獲得できるに越したことはありません。

サイト評価(検索エンジン/ユーザー)

検索エンジンはSEOの評価を「コンテンツ質」「キーワードとの関連性」「サイトの信頼性」といった基準で行います。一方リスティング広告は「広告の品質」「入札単価」「キーワードとの関連性」といった要素を考慮して表示順位を決定しています。

つまり、両者は全く異なる基準で順位が付けられるため、SEOと広告でサイトの質の優劣はありません。

対してユーザーの視点に立つと、先に紹介したクリック率にも表れているように、リスティング広告よりもSEOで上位に上がっている記事の方が信頼される(優れていると評価される)傾向にあります。

将来性

SEOリスティング広告
(Google広告)
資産性高い低い
得られるもの・長期的な売上・ユーザーからの信用・ブランド力・権威性・短期的な売上・広告の運用ノウハウ

数年後を見据えた将来性を考えるなら、SEOに力を入れたいところです。

SEO対策で作成されたコンテンツはすぐには成果が出ないかもしれませんが、資産となり、長期で売上に貢献してくれます。また自然検索で上位表示されることで、ユーザーからの信頼性を高め、自社のブランディングにもなります。

リスティング広告は課金している期間のみ効果が出るもので、資産性はありません。ただし社内に蓄積される広告運用のノウハウを「資産」とみなせば、広告運用も将来への投資と考えることができます。

運用・管理の労力

SEOリスティング広告
(Google広告)
成果の発生まで時間がかかる早い
必要な作業内容・コンテンツの作成・更新・内部/外部対策・キーワード・広告文の改善・入札額の調整

リスティング広告の方が短期的な労力で成果が出やすいと言えます。広告出稿の設定さえ済ませてしまえば、ある程度の成果が期待でき、効率は良いです。

SEOは成果が出るまでに多大な労力がかかり、その労力が実る保証もありません。長期で対策が必要という点では、SEOの方が管理コストがかかります。

ただしリスティング広告、SEOともに成果を出し続けるためには、改善を続けていかなければいけません。長期では同等の労力・リソースがかかると考えた方が良いでしょう。

効果測定

SEOリスティング広告
(Google広告)
主な指標・表示回数(ビュー数)・検索流入数・検索順位の推移・ページ滞在時間・直帰率 など・表示回数(インプレッション数)・クリック率・クリック単価・コンバージョン率・獲得コスト(CPA) など
測定ツール複数のツールを併用広告管理ページ
改善サイクル数ヶ月数日

効果測定の方法や考え方にも違いがあります。SEO対策は効果が現れるまでに数ヶ月かかることがあり、施策実施→効果測定→改善のサイクルが長くなります。

リスティング広告は即時に成果が出るため、ほぼリアルタイムで効果を検証して改善を重ねられます。また広告の管理ページだけで基本的なデータを確認できる手軽さも魅力です。

リスク

  • SEOのリスク
    効果が不確実、検索エンジンからのペナルティ、競合コンテンツとの差別化 など
  • リスティング広告のリスク
    クリック単価の高騰、悪意のある不正クリック、関連性の低いユーザーによる広告費の消費 など

SEO対策は労力に関するリスク、リスティング広告は金銭に関するリスクが主なものです。

SEOとリスティング広告を併用するメリット

ここまでSEOとリスティング広告の違いを確認してきました。状況や目的によってリソース配分を考えることは大切ですが、そもそも、どちらかを選ぶという考え方自体を改めてみても良いかもしれません。

繰り返しになりますが、SEO対策はすべてのサイトに求められる基本的な施策であり、リスティング広告はSEOをベースとした、いわば補助ツールと考えることができます。SEO対策とリスティング広告の運用は併用することで、以下のような相乗効果が生まれます。

露出を最大化できる

SEOで上位表示させ、さらにリスティング広告を出稿することにより、検索結果ページでの露出を最大化できます。

露出が増えれば、ページやサイトへの流入、さらには成約数も自ずと増え、知名度も高まります。

リスクを低減できる

SEO対策、リスティング広告ともにアルゴリズムや競合の状況などによっては、成果が出なくなるリスクがあります。

SEOと広告、2本の柱を立てておくことで、どちらかが崩れかけたときでも、もう片方で最低限の売上をカバーできる可能性が高まります。

最悪の事態になって慌てて対応するのではなく、常時から複数の選択肢を持っておくことで売上が安定します。

知見・データを相互に活かせる(費用対効果が上がる)

SEO対策とリスティング広告の運用には、共有できる知識やデータ、ノウハウがあります。

  • 検索キーワード
  • 検索ボリューム
  • ユーザーのニーズ、検索意図
  • クリックしたくなるタイトル(広告文) など

両者は両方取り組むことで運用コストが倍になるわけではありません。相互の取り組みに活かせることが多く、併用することで全体の効率が上がります。

「リスティング広告でSEOが有利になる」という噂

リスティング広告を出稿してGoogleに広告費を支払うことがSEO(自然検索)にも有効である、という言説を時々見かけます。

結論、これは半分は間違いであり、半分は正しい(かもしれない)です。

前提としてGoogleは「広告の出稿が直接、自然検索の順位に影響を与えることはない」と明言しています。

> Google が最も重要視していることは、ユーザーに関連度の高い検索結果を提供することです。もし特定の企業が検索結果の上位に表示するために有料の SEO 対策を実施することができたとしたら、ユーザーが探す有用で信頼できる情報を提供できなくなってしまうため、PPC広告ではSEO効果は得られない仕組みになっています。
参照:SEO と PPC の違いとは – Google 広告

一方で広告によって企業名などの露出が増えることで知名度が高まり、指名検索やSNSなどでの言及(サイテーション)が増えれば、間接的に、SEOに良い影響が出る可能性はあります。

Googleが説明するSEOとリスティング広告の違い

上記のGoogleの声明内の以下の言及も補足しておきます。Googleの基本的な考え方を理解することは、SEO、広告運用、どちらにとっても重要です。

  • SEOとPPC広告(クリック課金型広告)はもたらす効果が異なるため、目的に応じて選択する
  • SEOは時間がかかるが自社ビジネスを見つけてもらえる可能性が高まる
  • 広告は迅速にユーザーにアプローチし、臨機応変にキャンペーンをカスタマイズできる
  • SEOと広告の両方に時間とエネルギーを投資して、包括的な戦略を立てることもできる

まとめ|SEOとリスティング広告はどちらを選ぶべきか

最後にこの記事で紹介したSEOとリスティング広告(Google広告)のそれぞれの特徴を踏まえて、ケース・目的毎にどちらを選ぶべきか、提案いたします。

ただしSEO対策はすべてのサイト運営における基礎であり、最低限の対策は必要だという前提はご承知おきください。

SEO対策に注力すべきケース

  • 基本的にはすべてのサイト・ページで対策が必要
  • 潜在層も含め広くアプローチしたい場合
  • 目先の広告費をできるだけ抑えたい場合
  • 長期的に対策に取り組める体制が整っている場合
  • サイト、ページを資産として育てていきたい場合
  • ブランド力・信頼性を高めたい場合

リスティング広告を取り入れるべきケース

  • 基本的なSEO対策が済んでいる場合
  • ランディングページのみで集客する場合
  • 購買意欲が高い顕在層にアプローチしたい場合
  • 予算が確保できている場合
  • 露出をコントロールし、短期的で確実に成果(売上)を出したい場合
  • セールなど期間を絞って確実に訴求したい場合
  • 競合が多くSEOで勝つのが難しい場合

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